低用量ピルの服用が卵巣がんの予防になるのか?

低用量ピルは欧米では一般的に使用されている経口避妊薬で、女性が主体となって避妊することができる方法として広く利用されています。日本ではまだ認知度が低く、偏見も持たれていることもあり、避妊薬としてはあまり利用されていないというのが現実です。

ただ避妊薬としてではなく、生理痛の改善や子宮内膜症の治療薬として、婦人科で処方されることが多く、卵巣がんなどの婦人科系の疾患に効果を発揮しています。特に低用量ピルを長期間服用することで、卵巣がんの発生が半減するという研究結果もあり、ピルを利用することで排卵が抑制され、卵巣にかかる負担も軽減されることが卵巣がん予防の理由だと考えられます。

急増する日本人の卵巣がん

患者数が増えている日本のイメージ
先進国のほとんどは卵巣がんの発症が減少している中、日本では患者が増加しています。先進国の中でも日本だけが増加傾向にあり、その理由としてピルの服用が関係するという研究結果も存在しています。欧米を中心に世界的にピルを服用している女性が多く長期間ピルを服用すると、排卵が抑制されてホルモンバランスも整うことから卵巣にかかるストレスを軽減させ、卵巣がんや子宮体がん、乳がんを減少させる効果が期待できます。

低用量ピルの効果とは

そもそも低用量ピルとはどんな薬なのかというと、合成の卵胞ホルモンと合成の黄体ホルモンが混合された薬で、月経の開始から数日以内に服用することで、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を抑制することができ、排卵をストップさせることができます。排卵が起こらないため、妊娠をすることもありませんから、避妊薬として利用されています。

ピルを服用することで子宮内膜が厚くならないため子宮体がんも防ぐことができ、子宮内膜症や卵巣がんの予防効果も期待できます。コンドームが男性主体の避妊方法と言えるのに対し、ピルは女性が主体となって避妊することができるためヨーロッパでは90%以上の女性が愛用し、世界中では1億人以上が利用しているとてもメジャーな薬です。

ホルモン補充療法の効果

ホルモン補充療法のイメージ
避妊薬としてだけではなく、婦人科系のさまざまな症状の改善効果が期待できる低用量ピルですか、更年期障害の治療薬としても、広く利用されています。女性は50歳を過ぎると、エストロゲンの分泌が減少し、更年期特有の様々な症状が現れてしまいます。こうした症状には、エストロゲンを補充することで改善させることができます。補充するエストロゲンの量が多すぎると、乳がんや子宮体がんのリスクを高めてしまいますが、エストロゲンの量が少ない低用量ピルなら、リスクも減らすことができ、更年期障害の治療には効果的な方法です。

ピルのメリットとデメリット

メリットとデメリット
ピルは日本では医師の処方が必要な薬で、毎日服用することで確実に避妊効果を得ることができ、コンドームが破れたり犯罪によって引き起こされる望まない妊娠を防ぐことができ、とても安全な避妊方法です。ピルに含まれている合成の卵胞ホルモンと合成の黄体ホルモンによって、服用すると妊娠と同じようなホルモン環境を作り出すことができ、排卵や着床を抑制することから妊娠を阻止することができます。

個人差はありますがピルを服用することで生理の時の出血量が減少しますから、生理痛や不快感を軽減することができます。また子宮外妊娠をする可能性を低下させたり、長期間服用することで卵巣がんや子宮体がんなど女性特有の病気の発症頻度を下げることもでき、大腸がんの予防にも効果があると考えられています。

ただメリットの多いピルですが、日本で普及しない理由として副作用があげられます。大きな副作用としては乳がんや子宮がん、血栓症などが考えられます。特に、喫煙や35歳以上の女性がピルを服用した場合には血栓症のリスクを高めてしまいますから、低用量ピルを服用の際には禁煙する必要があります。また、これほど大きな副作用ではなくても、頭痛や吐き気、ニキビ、体重の増加、乳房の張りなどの副作用が起こることもあります。これは、妊娠と同じような状態になっているために起こる症状で、多くの場合数日で軽減していきますから、それほど心配はいりません。

低用量ピルは、もともと避妊することを目的として作られた薬で、服用することで排卵を抑制したり、着床しにくくし、さらに精子を入りにくくすることで、高い避妊効果を得ることができます。日本では、コンドームが一般的な避妊方法として使用されていますが、コンドームでの避妊率は85%程度で、15%の人は妊娠しているという計算になります。一方、低用量ピルは正しく服用すればほぼ100%妊娠を阻止することができます。副作用も少なく卵巣がんも予防できるのでおすすめです。